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ジャスティス砂漠・・その辺境を転がる空っぽの樽から聞こえる怪しげな・・・・
2025/04
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 もうすぐ。 今日というわけではなく。

 でもでも!! 公式母子ですよ! 乗っかれるイベント来たぁー!と小躍りしてしかるべきでしょう。(真顔)
というわけでSS。 母子のはずなのに娘が出てこないけども。

テスタメント?と呼ぶ声と共にトントンと壁をノックする音、腰を下ろしていたテスタメントは立ち上がると、パタパタと隣の部屋へと駆けて行く。
「どうなさいました?」
「聞きたいことが・・・という前に来たか、クリフと話していたのではないのか?わざわざ呼ぶような形になって悪かった」
 なかなか勢いのある音を立てて開いたドアに、ジャスティスは少し驚いたようだった。 呼ぶつもりはなかったらしい。
「え、いや、父上とは特に話していたというか、一緒にお茶を飲んでいただけで話していたわけではなくて、いや別に会話の種がないということではないですよ?」
「ん?あぁ」
 弁解のように言葉をまくし立てるテスタメントに、ジャスティスは首を捻ったものの、頷いて見せた。 テスタメントは気恥ずかしさからか顔を紅くしていたが、それをごまかすように、
「それで、ご用を伺っても?」
「あぁ、そうだったな。花を生けることが出来そうな器はあるか?と聞こうと思ったのだ」
「花・・ですか?」
 ジャスティスの口から花のことが出たのなど初めてで、テスタメントは一瞬訝しげな表情を浮かべたが、ジャスティスの視線に気付いて、慌てて申し訳ありません・と頭を下げた。
「気にするな、私とて花など自分でならどうこうしようと思いはしない」
 そういったジャスティスの視線を追ってテスタメントも視線の先にあるちゃぶ台の上を見ると、置かれていたのは真っ赤な花―カーネーション―の花束。 大きなものではないが、カスミソウと一緒に束ねられたそれを見て、テスタメントはそれが誰からの贈り物か察した。
「その量でしたら・・・父上の部屋にある花瓶で大丈夫だと思いますので、今お持ちします」
「すまない」
「生けて悪くなる前にいっそドライフラワーにしたらどうじゃ?押し花はちと難しいからのう」
「ひゃああ!!」
 背後から突然かけられた声にテスタメントが変な声を上げ、慌てて振り向けばそこにはクリフが。 邪魔するぞ・というとちゃぶ台まで歩いていき、花束を手に取った。
「このまま生けても徐々に悪くなるだけじゃ、今のうちにドライフラワーにすれば綺麗に残るぞ?愛娘からじゃろ?」
 クリフの愛娘・という言葉に、一瞬ジャスティスはピクリと尻尾の先を震わせたが、
「私はドライフラワーの作り方など知らん」
「教えてやるとも、綺麗にいつまでも残ればあの子も喜ぶじゃろう」
 照れおって・と内心おかしく思いながらも、そんなことはおくびにも出さず、はっはっは・と笑いながらクリフはリボンや包装紙を外す。
「これも記念になるじゃろうし、とって置け」
 ほい・とジャスティスにリボンを渡す。 花のような飾りの部分は綺麗なままのそれは、無骨を通り過ぎて禍々しくもある兵器の手には似合わない。 包装の皺を伸ばしたテスタメントはそれを丸めて筒にすると、ジャスティスの手からリボンを取り、筒に結んだ。
「これはしまっておきましょう、日に当たって色が焼けてしまってもいけませんので」
 にっこりと笑っていうテスタメントに、ジャスティスは小さくすまない・といった。 いわれたテスタメントは笑顔のまま首を振るだけ。
「それにしても何故父上はこちらに?」
「ぼんやりしていた息子が呼ばれた瞬間、嬉しそうに出て行くもんじゃから気になって」
「ッ!!!父上誤解です!」
「ぼんやりしてたのか?やっぱり会話出来ないのか?」
「そっちですか?いやそれの方が・・・でもそのいい方もまた誤解が・・・出来ますから、してますから!」
「あ・あぁ、判った判った、そんなにむきになるな」
 声を荒げたテスタメントに、落ち着け・と宥めながら、
「お前達父子の関係が良くないと・・・・一因が私にある以上は多“少”は気になるからな」
「そんなに“少”に力を入れていわんでも判っておる、わしたち父子は良好じゃよ、お前さんと一緒でな」
「ッ!・・・・ふん、まぁ良い。仲が良いのは良いことだろう」
「はい」
 からかうようにいったクリフに、ジャスティスの声に不機嫌さが滲んだが、ジャスティスの言葉に嬉しそうに頷いたテスタメントを見て、ジャスティスはきょとんとした後、一つ息をついて、良かったな・と呟いた。
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