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ジャスティス砂漠・・その辺境を転がる空っぽの樽から聞こえる怪しげな・・・・
2025/04
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 もう良い、開き直ります。 樽は、ソルがジャスティスに対して多少なりとも好意を抱いてくれていたら嬉しい人間です。 それが表記的にソルジャスになろうがもう良いや。 なんかたまる、不健康だ。

 実際のソルがどう思っているかは知らないが、うちのソルさんは幾許かジャスティスには好意を持っている方向でお願いします。 度合いは・・・来てくれている人が感じたくらいで良いです、すごく好き・っていうのは多分書かないから。

 でも、嫌な人は注意ですよ! というわけで本文隠しー。

「・・・おい」
 相変わらずノックはしないものの、ドアを開けながら一声かける。 玄関を上がってすぐの台所を見渡しても、部屋の主はいない。 もともと台所に立つような奴じゃない・と和室に目を向ければガラス戸が閉まっていて見えない。 すたすたと足早に歩いてガラリと乱暴に開ける。
「おい」
 そういってもう一度声をかけたが、そこには誰もいなかった。
「いねぇなら鍵かけろよ・・・」
 そう呻くと、ソルはかったるい・と零しながら頭を掻いた。 部屋の中にあるのはちゃぶ台と小さな棚、押入れという収納もあるが、使っているのは見たことがない。 棚に入っているのはソルが貸した本が数冊と古新聞だけ、盗むものもなければ、此処に盗みに入るものもいないのだから、鍵をかけないでの外出も判らないではない。
「めんどくせぇな・・・・」
 ちっ・と小さく舌打ちしたソルは、持って来ていた本をちゃぶ台の上に置いた。
 読みたいと頼まれていた本を持ってきたのだが、すでに貸していた本の中で読み終わっているものを今日は受け取るつもりで来たのだ。 学術書の類は皆分厚くハードカバーの為重く嵩張る、五冊超えれば十分荷物だ。 少しずつでも持ち帰りたかったのだが、どれから持ち帰るかは聞かねばソルだけでは判断しにくい。 持ち帰るためだけに足を運ぶのは手間だが、いつ戻るかも判らないのにぼんやりと待つのもだるい。
 ソルが帰ろうかどうしようかと迷っていると、こんこん・とノックの音。
「ジャスティスいらっしゃいますか?」
 ガチャという音がしてドアが開き、ガラス戸の向こうから現れたのは、長い黒髪をおさげに結った顔色の悪い男。 部屋の中にいたのがソルと判ると、それはひどく嫌そうに顔を歪めた。 ソルも顔を歪めていたのだが。
 白いシャツにダークグレーのズボンという普通の格好だが、薄青のエプロンはどうなのか。
「何をしている・・・」
「てめぇには関係ねぇ」
 敵意を隠さないテスタメントの言葉に、簡潔なソルの返答。 なぜか黄色いバラを数本生けた花瓶を抱えたテスタメントは、ソルを睨みながら、
「ジャスティスがいないのに部屋に上がるな!」
「お前がいうのか」
「ッ・・・私はいなくとも上がって良いといわれている」
 ソルの言葉に一瞬鼻白んだが、花瓶を抱え直しながら、少し胸を張った。 なんで・と問おうとソルが口を開こうとした瞬間、背後に法陣が浮かんだ。 振り返ればそこには転移してきたジャスティスが。 ドアを使わないで出入りしていれば、鍵をかけるということを考えないのもなんとなく頷ける。
 主のいない部屋に上がっていた男達の視線の集中に、帰って来た当の主は、
「不機嫌そうな顔だな」
 旧友の機嫌の悪そうな顔に、そういった。 それにソルが文句をいおうとする前に、
「お帰りなさいませ、ジャスティス」
 花瓶を抱えたテスタメントは、ソルの脇をすり抜けてジャスティスの前に行くと、花瓶を胸の高さまで掲げ、
「あの!バラが綺麗に咲いたので、父上の部屋にと持って来たのですが、良かったらジャスティスの部屋にもいかがと・・・あ、決して飾りきらなかった余りというのではなくて・・・・!」
 聞いてもいないのになぜか言い訳を始めたテスタメントに、ジャスティスはバラに目を落としたまま気付かれぬように小さくやれやれと呻き、
「その厚意、ありがたく受け取って置こう、ディズィーが来た時喜ぶやもな・・・殺風景な部屋だから」
 そういうと、ジャスティスは花瓶から一輪手に取った。 黄色いバラだが、よく見れば中心の花弁数枚には赤が入っている。 殺風景に関しては、自覚していたのかと思ったものの、テスタメントもソルも顔にも出さない。
「こうい・・・・だぁ?」
 ジャスティスの言葉にソルがなにやら小さく呟いていたが、二人は特に気にした様子は見せなかった。 バラを花瓶に戻したジャスティスは、テスタメントの手から花瓶を受け取ろうと手を伸ばすが、
「何処に置きますか?」
 ジャスティスにさせるなんて出来ません・と言外にいわれた気がして、ジャスティスはますます溜め息をつきたくなった。 ちゃぶ台の上に置くのは何か違う気がして、ジャスティスは棚の上を指差した。 はい・と頷いたテスタメントはいそいそとそこに花瓶を置く。
「このバラも以前の花のようにドライフラワーにすれば、残せるのだろう?」
「そうですが・・・やはり生花の美しさはまた別格、お気に召したのでしたらいくらでもお持ちしますよ?」
「いや、そこまでさせるのも・・・」
「花を生けるのは父も喜びますし、さして労力を払うことでもありませんから」
 お気になさらず・と笑うテスタメントに、ジャスティスはん・と頷くとそれ以上は何もいえずに押し黙った。 花を飾り終わったテスタメントは、来た用事を果たしたものの、
「まだ何か用があるのか?」
「いえ・・・また後で来ます」
 用が終わってもジャスティスとソルを見比べて立ちすくみ、なかなか出て行かないテスタメントに、ジャスティスはそう声をかけた。 かけられたテスタメントは少しワタワタと慌てた後、その様を恥じたのか少し顔を赤らめ、短く答えた。 夕食の準備のことをいっていると判っているジャスティスは、判った・と小さく返事をする。 部屋を出て行くテスタメントの背中をちらりと一瞥だけして、終始不機嫌そうなソルに向き直った。
「待たせたな・・・何の用だ?」
「・・・・・・・本」
 低く小さい声に、ジャスティスははっきりとは聞き取れず、僅かに身を屈めて聞き返した。 そうしたことでジャスティスとソルの目の高さが同じになり、鋭く射るような赤茶の目に、ジャスティスは小さく首を傾げた。
「頼まれた本を持ってきたのと、貸してた本・・・・持って帰ろうと思ってな」
「あぁ・・・・返し損ねていたな、すまん」
 並べた本の中から二冊を手に取ると、ジャスティスはそれをソルへと差し出した。
「ありがとう」
 そういったものの、ソルがなかなか受け取らないので、どうしたものかとジャスティスは僅かに視線を泳がせた。 機嫌が悪いのを察することが出来ないわけではない、が理由を思い当たらないジャスティスは、短く逡巡した後、
「待たせたのか?」
 どうにか思い当たったことをいってみたものの、ソルの態度は変わらず、無言で本を受け取った。 
「・・・留守中、あいつはこの部屋上がるのか?」
 沈黙が続いた後、機嫌が悪いなら早く帰れば良いのに・と内心で戸惑っていたジャスティスに、ソルはそう聞いた。 あいつが誰をいうか察し、
「テスタメントだけじゃない、クリフもヴィーも勝手に上がるな」
「上がって良い・といったんじゃないのか?」
「・・・・テスタメントには、上がって良いといったな」
 あぁ・と頷いてそういったジャスティス。 無言ではあるものの刺さるような視線を向けるソル、いわずとも問うその態度に、ジャスティスはいい辛そうに渋った後、
「・・・掃除をしたいという・・・が、私がいるとしづらいだろうから私が出ている間にしたければ勝手にしろ・といった」
「あ?」
「私があれに掃除をしろなどといったわけではない、したいというから好きにさせただけだ」
 良いか?と念を押すようにいうジャスティスに、ソルははぁ・と溜め息をついた。
「ッ!私は、今更まだあれに何かを強いるようなことはしていないからな!」
「判った判った」
 少しムキになったように声を荒げるジャスティスに、ソルはあしらうように手を振った。 その態度にジャスティスはぐ・と言葉を詰まらせたものの、
「何なのだ一体!不機嫌そうな態度を振り撒いたと思ったら、今度は人を馬鹿にするのか!」
「悪かった」
 短いソルの謝罪に、ジャスティスはいおうとしていた言葉を飲み込み固まると、ゆっくりと首を傾げた。
「借りたい本はもうないか?本以外でも何か都合できるようなものとか」
「え?あ・あぁ。特にはない・・・と思う。お前も忙しいのだし」
 あっさりと謝ったことが意外で、更に本以外でも都合しようという申し出までしてくる。 突然態度が変わったことに、ジャスティスは戸惑いながら、大丈夫だ・と首を振った。 相変わらず達成は遠そうなものの、目的の為に動いているようだし、娘のことも気にかけてくれている。 あまり甘えるつもりもない・と思い、あぁいったジャスティスだったが、
「別に。暇な時に来てんだよ」
「そうか?なら良いが・・・」
 もう機嫌が悪いわけではないソルの様子に、ジャスティスは何なのだ・と小さく呻きながら、鋭さが幾らか和らいだソルの顔を不思議そうな目で見た。

 次の日、血相を変えたテスタメントが来て、バラから美容柳に変わった。 どうかしたか?というジャスティスの問いに、テスタメントはいえ・と首を振るばかりだった。
 

 ・・・・カップリングとはいったけど温いよー。 なんていうか・・・・気持ちの交流書くの好きです。 すれ違いとか行き違いとか噛み合わないとか。 今更誰かに好意を持たれるなんてジャスティス思ってねぇよ・ということで。 そんな感じで書いてます。 書いていきます。

 ソル的には・・・・ちょっとモヤッとしたくらいで、ジャスティスは機嫌が悪いなと思ったくらい。 ジャスティスはソル好きだと思うなぁー、絶対いわないけど。 あの最期にそんなこといったらソル可哀相だもん・と妄想してる。 だから好きだとかいわないし、そんなそぶりも見せないように書いていきたいな・と思っている。

 ちなみに、「厚意:思いやりの気持ち」「好意:(1)このましいと思う気持ち(2)親切な気持ち」 ジャスティスのいっているのは「好意」という字でも良かったんだけど、判りやすいように「厚意」。 ソル勘違い・みたいな。

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わー
妬きソルは いいものだと思う!

違うな…むしろ妬かれジャスが至高の…
こんばんは、ヒトツバシです。

いいお湯加減です!
他の人がジャスティスと親交あったりすると、ムッとするソル くらいのコンビが好きですv
あと密かにテスタメントが張り合ってるのが非常に私好みでした。
ごちそうさまです。

ソルは子供っぽい独占欲とか残ってそうですね。
精神強度は凄くとも人格的にはそんな大した人じゃないというか…
部分的に割と未発達なような
そしてジャスティスはソルを情緒面で過大評価し、戦闘面で見くびってそうな気がする。

そうそう、賛同者に出会えないんですが

ソルに勝ったこと無いくせに、つらつら考えてるうちに、2勝1敗一分けくらいであわよくば一つ勝ち越してるような気がしてきているジャスティス

て可愛いくないですか。
負けず嫌い可愛いよ負けず嫌い。

戦闘面では自信過剰、情緒面ではストイック
そんなジャスティスについていきたい。
ヒトツバシ 2009/06/08(Mon)18:59:10 編集
あぁもう・・・
 ありがたいお言葉ばかりか、新たな萌えをまた・・・ヒトツバシ様には本当に頭が下がります。Oyz 微温湯です。

 ヤキモチ妬かれているジャスティスは大変萌えですし、更にそれに気付いていないと尚萌えます!!! 鼻血が出そうなほどに!!(自重しろ)

 ソルの性格上、いかにもヤキモチ妬いてます・という態度は本人には見せないだろうな(傍目で見ている第三者には丸判り)とは思います。 が、やっぱり独占欲は残っているというか・・・一度手放してかっ浚われてのあの結果なので、今更間に誰かが入るのはやだ・っていうのが良いかな・・・と。 100年経って今更何その執着?みたいな。(オイ
 ソルの精神強度は本当に半端ないと思います。 人格としてはストーリーモードとかから見る限り、成熟はしてないというか、今更もう大人になり過ぎて変えられなくなった意固地的な何かというか。
>ジャスティスはソルを情緒面で過大評価し、戦闘面で見くびってそうな気がする
には大変萌えました!! というか、うちのジャスティスがまさにこんなじゃ?とか思ってしまいました。(オイ 認めてはいるけど、自分の能力的に負けてるつもりはさらさらない・みたいな。

 ジャスティスはソルとの対戦は三戦で、戦績としては一敗二引分け・・・・負け越してますよねー。 でもなんていうか・・・・勝ち越してる気がしているジャスティス、想像出来ます。 可愛いな、可愛いよ。 負けない!とか思ってるジャスティス可愛い。 ハァハァ。(コラ

 戦闘面では自信過剰、情緒面ではストイックなジャスティス・・・・ついていきたい・・・ギアが羨ましくて仕方がない・・!
【2009/06/09 22:30】
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