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ジャスティス砂漠・・その辺境を転がる空っぽの樽から聞こえる怪しげな・・・・
2024/05
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 こういうイメージのを打ちたかったんですよ。

 一年以上前に投稿しつつも非公開にしていたもの。 2009/09/09あたりの記事にちらと書いていたディズィーがジャスティスを知ろうとすることについて。

 カサと葉を踏みしめた音は、すぐに木々の合間に吸い込まれるように消える。 深い森の中を足早に通り抜けようと、真っ直ぐ前を見つめ歩き続ける。 もともと連れのいない一人旅、口を開く意味もないときつく真一文字に引き締められた口元は不機嫌そうにも見える。 声のかけづらい雰囲気を振りまく男だったが、
「ソルさん」
 鈴の音を思わせる儚げだがリンと響く声に、ソルはギクリと肩を強張らせて足を止めた。 声の方を向けば、そこは木が拓けた場所で、廃墟の一部のようなものが背の高い草の合間から顔を出している。 そしてその一画、瓦解した屋根だった石の塊の上に腰を下ろしていたのは一人の少女。 風が長い髪を揺らすのをそのままに、ソルが自分を見つけたことを認めて、にっこりと微笑んだ。
「こんにちわ」
「・・・・帰って来てたのか」
 かつて悪魔の森と呼ばれたこの場所は、少女が一時身を隠して暮らしていた。 今は新しい居場所が出来て、そこで人との生活を送っているが、時折この森に残ったギアに会いに来ていることは知っていた。 だがつい先日、そのギアから「もう会わない」といわれたらしいことを耳に挟んでいたのだが・と、視線を外したソルが考えていると、
「会ってはいただけませんでした」
 そういうディズィーの顔は、悲しげで、それでもぎこちなくも笑顔を作る。 ディズィーの元まで歩いてきていたソルは、前まで来ると、そんなディズィーの顔を見上げて、顔を顰めた。
「でも」
 ディズィーはソルのヘッドギアに隠れがちな目をじっと見つめ、何かを思いつめたような顔で口を開いた。
「ソルさんにも会いたかった」
 その言葉に、ソルは怪訝そうな顔で眉を寄せた。 その表情を受けて、ディズィーは小さく手を振り、
「此処に来れば会えるという確証があったわけではなくて、もちろん偶然です。ただ会いたいと思っていたんです」
 そういって、小さく首を傾げながら、人懐っこい笑顔を浮かべる。
「俺に何か用があるのか?」
 ぶっきらぼうなソルの言葉に、ディズィーははい・と頷き、
「伺いたいことがあったので」
 そういうディズィーの目に、何か強いものを感じたソルは、荷物を持つ手に我知らず力が入った、封炎剣を握る左手にも。
 だが、伺いたい・といったもののディズィーは何を聞くこともせず、ソルをじっと見つめたままだった。 ディズィーの真意が測れず、ソルは暫らくディズィーが口を開くのを待ったが、ふと何かに思い当たったようだった。 ソルは強張る指を押し広げるように、左手の力を抜いて、封炎剣を握り直しながら、
「会ったらしいな」
「はい」
「・・・そうか」
 そういうと今度はソルが押し黙ってしまった。 二人の間に流れる沈黙に、風の音が微かに混じる。
「なぜかは判らないんですが、形を真似ただけのあれに、私は“お母さん”を感じたんです」
「あれは・・・」
「ギアではないといわれた人もいるそうですし、生物でもないともいっていたとか。私がたとえコピーとはいえ“ジャスティス”の事を聞くのは、正直良い顔はされませんでした」
 幾らディズィーが戦意のないギアとはいえ、“ギア”だ。 ディズィーの人となりを理解しているものでも、その行為が他にどう見えるかを考えれば、止めることすらおかしくない。
「あれの中に・・一部を使っているのかもしれませんが、それは私が考えても判りませんし、確かめる術もありません。それに・・・・あれはあくまでも違うものです」
 そういうディズィーの声は静かなもので、どこか淡々としているようにも感じた。 表情からは今一感情が窺えない。 見上げたソルと、ディズィーの視線が交わる。
「お聞きしたいことの一つ、“ジャスティス”は・・・・あの人は私のお母さんですか?」
「判らない・・・が、お前が見せる力は酷似したものがあるし、お前があれに“親”としての何かを感じたのなら、恐らくはそうなんだろう」
「もっとはっきりとした答えが返ってくるかと思っていました・・・でも、嘘はいっていないみたいですね」
 微かに落胆を滲ませたものの、そういうとディズィーはソルから顔を逸らした。
「貴方が“ジャスティス”を壊したと聞きました」
 ポツリと漏れたその言葉に、ソルの顔が強張る。
「封印する際も、確かではないですが、貴方が関わった形跡があったと教えていただきました」
「・・・・・・」
「だから・・・貴方が一番“ジャスティス”を知る人だと思ったんです」
「俺が知っているのは、あれが最悪の兵器で、聖戦を引き起こしたってだけだ」
「今度は嘘・・・・が混じっている気がします・・・・が、教えて下さる気がないということなんですね」
 ソルの言葉に、ディズィーはそういうと、悲しげに笑う。
「私・・・快賊団の皆に受け入れてもらえて、それが嬉しくて、それで良いと思っていました。でもそれだけじゃだめなんです、私は知らなきゃいけなかった」
 一際強い風が吹きぬけ、ソルは目を瞑った。
「私、自分が何故生まれたのか調べることにしました」
「ッ―――!お前があれに近付くのか!」
「私が・・・“ジャスティス”に近付くことが、どれだけ周りに迷惑をかけるかは理解してます。聖戦がどれだけ惨いことか判っています、それを繰り返す気なんてない。それでも人の目にどれだけ脅威と映るか、判らないわけないじゃないですか」
 そういったディズィーの目に涙が滲むのが見えたが、それはすぐにグイと袖口で強く拭われた。
「でも知らなきゃいけないんです・・・私の、自分のことなんですから」
「俺だって聞きたいことは山ほどある、知らないことがどれだけあるか」
「それでも私よりは持っている・・・でも、ただ目の前に吊るされた答えに飛びつくのは・・・やっぱり違うのかもしれない。私は私なりに調べようと思います、知りたいから」
 見上げるソルの顔が苦々しげに歪み、苛立たしげに地面に封炎剣を突き刺した。
「私が知りたいのは、どうして私は生まれたのか。それを知ることの助けになるなら、“ジャスティス”のことも調べます」
「もうあれは破壊した」
「聞きました」
「お前一人で調べられるか、誰が教えるっていうんだ!」
「一緒に手伝って下さるという方を見つけました」
 ソルさん・と呼ぶディズィーの声は微かに震え、
「皆にもいいましたが、私を信じて下さい」
 聖戦は繰り返さない・と、言葉の端に滲ませて、ディズィーはやんわりと微笑った。


 どう考えても、ディズィーの生まれを調べると親の話になるわけで、ディズィーが判っている親はジャスティスなわけで(ジャスティスをお母さんと呼んだわけだし)、ディズィーがジャスティスに近づくということは、人間としては絶対しないで欲しいことだと思うんだけど? 知ろうとするとかも出来るならしないで欲しいことだと思う。 迂闊に知って、ジャスティスがなんで聖戦を始めたのか、それに共感していきなり方針180度転換されたら、たまったもんじゃないでしょう? 子供だというのが他の人間にばれていなくても、ギアがジャスティスに近付くっていうのは、聖戦の再来を予感させる危機でしかないと思うんだ。 ジャスティスの力を欲しているように映るかもしれない。 何この手詰まり感? ディズィーが「お母さんはジャスティスだと思います」っていった時点で、カイはブン投げると思います、調べるの。(GG2で初耳だったみたいだし、ディズィーいってなかったみたいだけど。正直、本を調べるよりソルに聞いた方が早いと思う。
 とりあえずイメージだけで打ったので、多分置き場に移す時はもうちょっと打ち直します。 打つ前の脳内推敲のと、打ち始めてからだとすでに微妙に変わっているところあるし。(汗)
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