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ジャスティス砂漠・・その辺境を転がる空っぽの樽から聞こえる怪しげな・・・・
2025/04
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 何故昨日の内にネタが固まっていたのに打っておかないのだ、樽は!

 エイプリルフールです。

 弟に、
「うそにあっさり騙されるのと、うそに気づかないんでそのまま信じる(ボケ殺し)のとどっちが美味しい?」
と聞いたところ、
「気付かない」
という答えを貰いました。 樽もそっちのが美味しいと思ってた!

 関係ないんですが、今日手違いからインターネットのお気に入りの自分専用フォルダをうっかり消しました。 ・・・・とりあえず凄く凹みましたが、バックアップをとっていたので何とか平気でした。 まめにとっておくものですね。
 皆さんもお気をつけ下さい。

「エイプリルフールなんです」
「えいぷりるふーる?」
 聞いたことのない単語をそのまま鸚鵡返ししたヴィーに、はい・とディズィーは神妙な顔で頷いた。 一体どんなものか判らないヴィーは首を捻って、ディズィーが説明してくれるのを待った。
「今日は嘘をついても良い日なんです」
「嘘?」
 クリフの部屋でひそひそと膝をつき合わせながら喋る二人、今はクリフは散歩中でテスタメントは来ていない。 隣の部屋にジャスティスがいるのだが、珍しくディズィーはそちらを尋ねる前にこの部屋に来たのだ。 そしてヴィーを見つけて、
「だからお母さんに嘘をつこうと思って」
 と、相談と相成った。 いわれたヴィーは首を捻りながら、
「ジャスティスに嘘・・・・怒られたいの?」
「やっぱり怒りますか?エイプリルフールっていっても・・・」
 でもそれはそれでない経験だし・と小さくいうディズィーを余所に、
「いや、えいぷりるふーるがどういうもんか良く判らんけど、嘘つかれたら誰だって嫌じゃん?」
「私としてはお母さんが嘘に引っかかって驚いたり慌ててくれたら嬉しいな・って」
「誰かが傷つくようなもんじゃなければ良いかな、雪が降ってる!とかさ」
「それくらいじゃお母さん・・・驚かないと思います」
 ディズィーの言葉に、ヴィーはう~ん・と唸って頭を捻る。 これはどうだあれはどうだと二人で話し合っていたところ、
「そういえばこの前見たんだけどさ、こういわれてた奴がすげぇ驚いてたんだよな」

「お母さん・・・あの・・・」
「ん?」
 おずおずと声をかけてきたディズィーに、ジャスティスは読んでいた本から視線を外さぬまま返事をした。 先を促してはみたものの、ディズィーは何か迷っている様子で、
「どうかしたのか?」
 と、顔を上げた。 ディズィーはジャスティスと目が合うと、ゆっくりと口を開き、
「お母さん、私・・・その・・・出来たみたいなんです」
「出来た?何が?」
 ディズィーの言葉に、首を捻るジャスティス。 だが、何が?という言葉にディズィーも首を捻っていた。 その顔は、さぁ?とでもいいたげで、
「ディズィー?」
「ちょっと待ってて下さい!」
 ジャスティスが止める間もなく、ディズィーは部屋から駆け出すと、クリフの部屋に突っ込んだ。
「ヴィーさん!!お母さん驚きませんでした!!」
 駆け込んできたディズィーに、テスタメントの作ったホットケーキをおやつに頬張っていたヴィーは、一生懸命動かしていたフォークとナイフを止めた。 突然のことにテスタメントはお茶のポットを持ったまま固まっている。 テーブルの上にはディズィーのぶんも用意されていた。
「あれ?誰にでもいって驚くもんじゃないのかな・・・・・あの男すげぇ驚いてたのに」
「何がって聞かれちゃったんですけど、なんて答えればまだ驚かせるチャンスがありますか?」
「そんなこといわれても・・・俺もそこらへん判らないから、何で驚いてたのか判らないのに、これでいっちゃったのが問題あったかぁ」
 唸りながら頭を捻ったヴィーは、ようやく気を取り直して入れたお茶を飲んでいるテスタメントに向かい、
「テスタメントもさ、ちょっと相談乗ってよ!」
「どうしたのだ?」
「あのね、ディズィーが出来たみたいってジャスティスにいったんだけど―――」
 ブッ!
「あっつぁーーーー!」
「きゃああああ!ヴィーさん大丈夫ですか?テスタメントさんもそんなに噎せてッ―・・・」
「ジャスティスに・・・いったのか?相手は誰だ?あの男か?」
「相手?」
 ディズィーとヴィーは同じように首を傾げたが、何故か怖い雰囲気をかもし出すテスタメント。 ヴィーの顔に熱い茶を吹きかけておきながら謝る様子もなく、ユラリと立ち上がると、虚空から大鎌を取り出した。
「出てくる」
「待ってよ、相談には―――」
「後だ」
 ヴィーの言葉を途中でぴしゃりと遮ると、テスタメントは出て行ってしまった。 その後ろ姿を見送った二人は、テスタメントの豹変振りが判らず、顔を見合わせて頭を捻る。 そこへ、
「ディズィー?」
「ジャスティス!」
「いったきり戻ってこないものだから・・・・なんだ、ヴィーと間食していたのか?出来たといっていたのはそれのことか?」
 部屋に上がったジャスティスは、テーブルの上に置かれた綺麗に焼けたテスタメントが作ったホットケーキを見て、
「随分綺麗に出来たな、上達したんじゃないか?」
「え、あ、ちが・・・・えと」
 と、答えに窮したディズィーだったが、良かったな・とジャスティスに頭を撫でられ、嬉しそうに頬を緩めた。 そんな娘を見るジャスティスもどこか嬉しそうだ。
「お母さんに嘘をつこうとしてごめんなさい」
 おやつを終えた二人はジャスティスと共にジャスティスの部屋に移っていた。
「嘘?あれはディズィーが作ったものではないのか?」
「テスタメントが焼いたー」
「違うんです、それじゃなくて“出来たみたい”っていったことです」
「何が“出来た”なんだ?」
 と、ジャスティスは口に出したところで、察したようだったが、
「それが判らなくて・・・・ヴィーさんが町でそういわれて驚いてる人を見たと・・・冗談だ・とその時も笑っていたからって」
「お前は・・・・」
「だってぇ、それいわれた時の男のあわてっぷりがなんか凄かったからさぁ。冗談よ・って女がいったら安心して笑ってたから、悪い嘘じゃないのかな?って」
「はあぁぁぁ・・・・・」
 ジャスティスは深く溜め息をつくと、
「もうその嘘はつくな、つくなら他のものにしろ」
「はい」
 ジャスティスの言葉に、ディズィーは素直に頷くと、にっこり微笑った。


 警察本部をギアが襲撃したとかしないとか? ジャスティスはカイとディズィーの関係知らない方向で。 まぁ、まだこのディズィーはカイにそういった感情一切抱いていないイメージなんですけどね。 とばっちりだね。 誰も傷つかない嘘って難しいね。
 結婚前に妊娠発覚に、やっぱり眉間に皺出来ちゃう古い人間ですが、この二人の場合、妊娠という後押しがないと結婚は絶対しないというか、出来ないと思う。 踏み出せないというか・・・・。

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