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ジャスティス砂漠・・その辺境を転がる空っぽの樽から聞こえる怪しげな・・・・
2024/05
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 で何か打ってみたかった。 突発的過ぎた。

 じっと注がれる熱視線、それに耐え切れずにジャスティスは小さく首を傾げ、
「どうかしたか?」
 といった。
「眠くありませんか?」
「ないな」
 ディズィーの問いにジャスティスが短く答えると、その答えにディズィーは肩を落とした。 ディズィーが畳に目を落としたことにより、ようやく解放されたジャスティスは、
「本当にどうしたんだ?」
「お母さん・・・・良く寝ていることが多いって・・・・聞いたんです」
「ほぉ・・・・・誰に」
「ヴィーさんですよ?・・・・・でも私、お母さんが寝ているところ見たことがなくて!」
「見て楽しいのか?」
 悔しそうにいうディズィーに、ジャスティスは不思議そうにいった。

 趣味が睡眠というだけあって、ジャスティスはよく寝ていたが、聖戦下などは体を休める為に必要だったからというのもある。 それも今はいらないのだから、本当にただ寝ているだけなのだが、意外なことにジャスティスたディズィーの前では、たまに眠そうなこともあるが眠ることはしない。 必ず起きて、ディズィーの話し相手をしていたし、ディズィーがクリフの部屋でテスタメントに料理を習っている時ですら、起きていた。 眠っていても、ディズィーが来る前には目を覚ますくらいである。 来たディズィーをがっかりさせたくない・という思いからのことらしい。

「やっぱり知らないのが悔しいんです・・・・お母さんのことなんですから!」
「そう・・・いうものか」
 どこかまだよく判らない・といった顔をしながらいうジャスティスに、ディズィーははい・と力強く頷いた。 ぐっと拳を握り締め、
「だからお母さんの寝顔が見たいんです、眠くなりませんか?」
「ならないな・・・・」
「そう・・・ですか・・・・・」
 がっかりした様子のディズィーに、ジャスティスは内心やれやれと零しながら、
「まぁ・・・・今日は天気も良いし、この陽気だ・・・・もうしばらくすれば、なるやも・・・な」
「本当ですか?」
 ジャスティスの言葉にディズィーは嬉しそうに顔を綻ばせ、それを見てジャスティスは頷きながら、
「あぁ、だからそれまでは一緒に本でも読もうか?」
「はい!」
 嬉しそうにコクコクと頷いたディズィーはジャスティスの腕を潜って左隣に座り、腰に抱きついた。 ジャスティスが広げた本は少し内容が幼くもあったが、ディズィーにはまだちょうど良いものだった。 ディズィーの読む早さに合わせ、ページを捲りながら午後は過ぎていった。

「寝たか・・・・」
「毛布ー」
 ヴィーの差し出した毛布を受け取り、ディズィーにかけるジャスティス。 ジャスティスが読んでいた本をパラパラと捲るヴィーは、判らない単語に首を捻っていた。
「私の寝ているところを見たいなど・・・・判らんことをいう」
「寝顔見たかったんじゃない?」
「見てどうする」
 そういうジャスティスに、そうだねー・というヴィー。
「本当にディズィーがいると寝ないね」
「そうだな、意識したことはないが・・・眠くはない」
「じゃあ、ディズィーはやっぱ無理そうなんだね」
「うん?そうだな、見られないだろうな」
「そうだねー」
 残念だねぇ・というヴィーだったが、ディズィーの目標が、見ることで終わらないのを、ジャスティスに教えることはなかった。


 ジャスティスはあんまりディズィーを怒るイメージがないので(怒られるようなことするイメージもないけど)、怒られたいなぁ・と悪戯をしたりするディズィーとか可愛くないですか。 娘に振り回されるジャスティスとかときめく。
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